出会った本

芯から元気のでる佐野洋子さんのエッセイ

まかり通っている「常識」と思われていることに
なにかおかしいなって思ったとき…
それって常識はずれの考えなのか、自分に確信が持てなくなったとき

間違っていないんだよ、そう思うのは当然ですよと保証してくれて
毎日を過ごしていく上で、芯から元気の出るエッセイだと思いました

<私はそうは思わない> 佐野洋子(著)ちくま文庫

Book_091213

ロングセラー<Link100万回生きたねこ><Linkおじさんのかさ>の作者・佐野さんの生い立ちの回想録がエッセイ風にまとめられています。幼少期から感じてきたこと、疑問に思ったこと、常識への怒りなど…

私たちが、おそらくぼんやりと感じていることを
みごとに言葉にしてくれています

最初の20ページ。読者への質問から始まります

  子どものころいちばん悲しかったことはなんですか
  子どものころいちばん嬉しかったことはなんですか
  男ってどんな生き物だと思いますか
  捨てられないものがありますか

そんな問いに、常識的に考えるのではなくて
思うままに佐野さんが生活の中で感じていることを書いておられます
読み始めから、こころのもやもやが晴れていく感じです

佐野さんならではの感じ方の背後には、佐野さんの芯のある生き方があり、それが読者を元気づけてくれます

2_2 にほんブログ村☆ワイン大好きの京都暮らしへの応援クリック   酒カテゴリーのブログ

| | コメント (2)

落合恵子さんの「こころの処方箋」☆絵本屋の日曜日

作家でもあり、東京と大阪で「クレヨンハウス」を主宰されている
落合恵子さんが紹介する100冊の絵本…

<絵本屋の日曜日> 落合恵子(著)

Book091204

落合さんの言葉です…

  この本を、わたしはひそかに、疲れた大人のための
  ささやかな「処方箋」だと位置づけている

    ささくれだったり目づまりを起こしている気分そのものに
    一冊の絵本を通して、小さな風穴をあけることができたら…

一冊の絵本とそれにまつわるエッセイ…
落合さんの日常生活の中で感じられたことが書かれています
それぞれの絵本の紹介がすばらしい

  * 自分であることに疲れたら
  * HUGが欲しかったら
  * 心のちょうつがいがギシギシいったら
  * 喪失の痛みに耐えられなかったら
  * ひどい風邪をひいたら
  * いかす大人になりたかったら
  * 女ってソン、とくやしかったら
  * 自分が「負け組」に思えたら

…などなど、100 のタイトルが 100 の絵本につけられ
それぞれにエッセイが加えられています
作家・落合さんのすばらしい感性に脱帽です

私もこんなに書けたらいいのになあって思います

2_2 にほんブログ村☆ワイン大好きの京都暮らしへの応援クリック   酒カテゴリーのブログ

| | コメント (2)

だいじょうぶ☆水谷先生と鎌田先生のやさしさとあたたかさ

地域と一体となった医療を実践されている鎌田實先生と、
さまよう子どもたちを薬物汚染や自死から救いつづけている
夜回り先生・水谷修先生との往復書簡です

<だいじょうぶ> 鎌田實・水谷修(著) 日本評論社
ISBN 978-4-535-58569-0

Book091031

生きることに苦しんでいる人たち、悲しさや苦しさの真っただ中にいる人たちに、「だいじょうぶ、だいじょうぶ、がんばらない、いいんだよ」と接しつづけておられる二人の先生

世の中の不条理に対し、それは間違っている!と苦しんでいる人たちに代わって怒ってくれています。しかも地道に行動されています。頼もしいかぎりです

両氏が接してこられた人たちとの豊富な体験談は、感動、感動です。鎌田先生の書簡に水谷先生が泣き、水谷先生の書簡に鎌田先生が心から感動しています

芯から元気の出る本だと思いました。私の今年の大ヒットの本です

2_2 にほんブログ村☆ワイン大好きの京都暮らしへの応援クリック   酒カテゴリーのブログ

| | コメント (2)

食味風々録☆楽しい阿川弘之さんの名随筆

食味風々録 阿川弘之(著) 新潮文庫

こんなに面白く書けるなんて、さすがに高名な作家です
<洋食の席で葡萄酒を註文すると、ソムリエがコルクの栓を抜き…>
…からこの本は始まります。

Book090907

阿川さんと向田邦子さんとの対談はええ?って感じで最高に面白い
<栗鼠の糞> のコーヒーが格別においしいと阿川さんが言えば、
向田さんが<ひじきの二度めし> が最高なんですよって言う話…

太閤秀吉が「ちんたの酒」を好んだのは有名な史実で、「ちんた」とは
ポルトガル語のtinto、つまり赤葡萄酒…云々の話…

阿川さんが北杜夫さんと一緒に鰻を食べたときの話、お二人の普段の
様子がいきいきとわかって、これも面白い

谷川徹三さんが亡くなられたとき、阿川さんが弔辞を読まれたお礼にと、令息の詩人谷川俊太郎さんが、遺品の1928年ものの「ムートン・ロートシルト」を贈られた。飲むに飲まれず、でも意を決して封を切って飲んだときの話…

そのほかにも、日本でこんなにもオーパスワンが有名になる前の話…
福沢諭吉がアメリカから帰国したら「食うぞ」と思った夢の献立の話など…
面白い話が満載です。読売文学賞を受賞の名随筆です

Minienpitub にほんブログ村のワインブログ   酒カテゴリーのブログ

| | コメント (2)

ともだちがやって来た☆糸井重里さんの面白い本

コピー・ライターの糸井さんが「ほぼ日刊イトイ新聞」の中の
<今日のダーリン>と<ダーリンコラム>に書いたのを集めた本

ともだちがやって来た 糸井重里(著)ほぼ日ブックス

Book090830

ネット限定発売の本です。

まだ半分くらいしか読んでいませんが
一気に読むともったいないと感じていて
すきま時間などに、1ページずつ、じんわりと楽しんでいます

私にとってこの本の面白さは、それぞれのコラムや一言の
私への届きかたが異なることです

これって、私の感じ方とちがうなあ…と思ったり
これって、糸井さんの生活や想いなんだよね…と思ったり

でもその中に、そうそう!ほんとにそう!ほんとにそう!と
思えるのがあって、すごい共感したりします。そんなとき、
ほんとうにうれしくなります。ほとんどがこの体験ですけどね

そのように思えるのが、糸井さんのすごいところだなあって
思いました

この本の中の糸井さんの言葉…

  びゅんびゅんすっとばして読む本もあるけれど、
  ときどき、そんなんで読み切れるのかというくらいに
  ゆっくりと読みたい本もあります

私のお気に入りのことばです

Minienpitub にほんブログ村のワインブログ   酒カテゴリーのブログ

| | コメント (4)

谷川俊太郎「質問箱」☆詩人が質問に答えると…

とにかく面白くて深い!
目からうろこが落ちるってこういうことだと思いました!

ほぼ日刊イトイ新聞の「谷川俊太郎質問箱」に
メールで寄せられた質問に、詩人谷川俊太郎さんが回答したものです
えっ?どう答えるの?と思うような質問に詩人谷川さんが答えています

Book_090705

  どうして人間は死ぬの?さえちゃんは死ぬのはいやだよ。(6歳)

  どうして「この人がいちばん、いちばん好きだ!!」と思う気持ちは
  終わってしまうんでしょうか?(29歳)

  色気と色香って、どうしたら出るのでしょう?
  一度モテてみたいのです。(32歳)

  人差し指はなぜ人を指したらいけないの?(6歳)

  逆上がりができません。どうやったらできますか?(小学校3年生)

  小学校は国語算数理科社会
  新たに1教科加えるとどんなものがいいでしょうか?(24歳)

  谷川さんは、勇気百倍なるのはどんなときですか?
  ちなみにぼくはムックが応援してくれるときです。(ガチャピン5歳)

  ぼくは、今の仕事をやっているときに
  いつまでたっても自信が持てません… (38歳)

  谷川さんが、もし年が近かったら、
  つい好きになってしまうだろうと思います
  谷川さんはどんな女性がすきですか。
  これからなっていきたい女性像の参考として
  教えていただければと思います。(27歳)

  好きな人をどうやったら信じられますか?(27歳)

  私は子どもが苦手です…(中略)
  谷川さんは子どもがすきですか?
  こどもが嫌いなことを、なおしたほうがいいのでしょうか。(16歳)

  宇宙人って本当にいるんですか?(14歳)

…など 64の質問に、谷川さんがココロもカラダも使って答えています
さすが詩人です!
なるほどと思う的確な答えです。う~んってうなってしまいます

最後に糸井重里さんと谷川俊太郎さんのあとがき話(対談)があり、
これもまたとても楽しい!

Minienpitub にほんブログ村のワインブログ   酒カテゴリーのブログ

| | コメント (2)

池波正太郎さんのお酒の飲みかたなど☆粋なエッセー集

直木賞受賞作の「錯乱」や「鬼平犯科帳」「剣客商売」をはじめ
膨大な作品を書いた池波正太郎さんの語り下ろしのエッセー集

Book_090722

  私は他人に作法を説けるような男ではない
  年寄りのたわごとと思われ、読んでいただきたい
  そうすれば、さほど、おもしろくはないこともない

池波氏のことばです。こうした謙虚な姿がとても魅力的です
タイトルには忸怩たる思いがするとも述べられています
  

周りに惑わされない、本当の美味しい飲みかた、食べかた、生きかたを教えていただきました。筋の通った男らしさを感じました

  ビールを注ぎ足すのは、愚の骨頂
  ちゃんとした一流の店で出すビールのコップは小さくて細いでしょう
  体裁ぶって小さいわけではない。合理的なんだ

  おこうこぐらいで酒飲んでね
  焼き上がりをゆっくり待つのがうまいわけですよ
  うなぎが。

  たいていの人はわさびを取ってお醤油で溶いちゃうだろう
  あれはつまらない
  わさびの香りが抜けちゃう…醤油も濁って新鮮でなくなる

そのほかに、そばの食べかた、天ぷらの美味しい食べかた
家のこと、旅行のこと、洋服や和服のこと、バーのことなど
日々のことについての池波氏の流儀、男らしさには脱帽です
  

翻訳家として著名な常盤新平氏は、男を磨く上で
この本をもっと若いころに読んでおきたかったと述べられています

Minienpitub にほんブログ村のワインブログ   酒カテゴリーのブログ

| | コメント (2)

大人の友情☆河合隼雄さんのエッセイ

臨床心理学者の河合隼雄さんがお元気だったころ
何度かお話を聴いたことがあります。とにかくお話がうまい!
具体的な経験に基づくから、聴く人のこころを魅了します

大人の友情

Book_090704

友情に関するエッセイ集です

大人の友人関係に悩んだとき…
悩むがゆえに、その視野が狭くなったとき…
大人の友情って実にさまざまななんだと
こころを広げてくれると思いました

大人の友情って、こうあるべきだとは書いていないところがいい

  友人間の距離
  やさしさ
  友人の死
  友情を破るもの
  友人の出世を喜べるか
  異性間の友情

その他たくさんの興味深いテーマが満載です
河合さんの優しさと鋭い洞察力がこの本全体に流れています

Minienpitub にほんブログ村のワインブログ   酒カテゴリーのブログ

| | コメント (2)

坂本龍一氏が涙した12歳の少女のスピーチ

部屋の本棚を眺めていたら、ふともう一度読みたくなった本…

セヴァン・カリス=スズキ(著)ナマケモノ倶楽部(編・訳)
あなたが世界を変える日

Book_090628

1991年6月にブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された
国連の地球環境サミットで、カナダ人の12歳の少女による
わずか6分間のスピーチ。あまりにも有名なスピーチ

改めて読み返してみました。今もなお、その内容は生きています
前半は、スピーチの原稿(英語)と日本語訳と絵
後半は、彼女自身のスピーチに至る経緯と考えを自ら語っています

ともすれば、私たちが避けて通っている問題を
真正面から問いかけてくれます。「リオの伝説のスピーチ」と呼ばれ
世界各国のリーダーたちを感動させたスピーチ

改めて、じっくりと考えされられました

Minienpitub にほんブログ村のワインブログ   酒カテゴリーのブログ

| | コメント (0)

私たちが流す涙と欧米人が流す涙☆日本人の情感

電車の中とか、仕事のすきま時間に
楽しみながら少しずつ読んでいた本です

エッセーはどこから読んでもいいし、短時間に話が完結します
だから、ちょっとした時間があるとき、豊かな気分になります

日本人の情感はどこからくるのか

Book_090429

日本文化研究センターの所長をされてきた山折哲雄さんの著書
とてもおもしろく読み切りました

私たちが流す涙と、欧米の人たちの流す涙…どこがちがうの?
万葉の時代の流す涙と、今の日本人が流す涙…どこがちがうの?

光源氏が「男」になったときと、現在の日本人が「男」になるとき
何がちがうの?

ロダンの考える人と広隆寺の半跏思惟像の姿
思う…では共通しているかもしれないけれど、何がちがうの?

このような疑問を山折先生は持たれて
自らそれに対して思いを述べられています

日本人の情感はどこからくるのかに対して
直接的な答えはないけれど、なるほど、日本人の情感って
こういうところから育まれているのだなあ…と感じました

前半はいろんなエピソード満載。これが特に面白かった
後半は学者らしい話題となっています

本って、こころを豊かにするなあと思います

Minienpitub にほんブログ村のワインブログ   酒カテゴリーのブログ

| | コメント (2)